JavaEE7からPaaS対応が見送られた

JavaOne2012の準備をする。英語がまともに聞き取れないので、出発する前から報告書の準備をする。こんな時には、Java Community Process、一部の重要な情報だけに見えるが、いくつかの議論の内容をメーリングリスト公開している。私のように英語が苦手な人間にとって、展示会などで一度に情報発信せずに、Webで小出しで情報公開してくれるのは助かる。

 

どうやらJavaEE7の目玉とされたクラウド対応は2015年春に目指して検討する予定である次バージョン"JavaEE8"に見送られるようだ。メーリングリストの中では、『次のリリースをJavaEE6.5にしたら?』という意見もあったが、J"2"SDKのような過去の混乱に戻るのを避けるべく、却下されていた。確かに、J2SDK1.4→JavaSE5の流れはわかりにくいし、周りにも説明しにくい。

 

『クラウド』に対してJavaEEが何を標準化すべきなのか、周囲の環境を考慮して検討するにはまだ早く、このまま進めると2013年春に予定されているJavaEE7仕様のリリースが1年以上遅れてしまうことから、見送りを判断した。JavaEE6仕様がリリースされてから実装製品(RI除く)が使えるようになるまで、WebSphere(2011/6)やWebLogicServer(2011/12)、JBossEAP(2012/6)など、代表的なアプリケーションサーバは2年程度の時間がかかった。新技術のリリース間隔が空きすぎると『今までで大丈夫だったのに何故新しいのが必要なのか』という力が強くなり、現状の改善が難しくなるので、リリース間隔が守られるのは歓迎だ。

 

私自身はJavaEE6もまともに扱えていないが、海外の人たちはJavaの進化をどう捉えているのだろうか。英語がわからなくても、積極的な質疑応答の雰囲気から、本当にJavaEE6は使われているのか、JavaOne2012で観察してみたい。

 

2012年Q3に予定されているJavaEE7(JSR-342)のpublic reviewが楽しみである。