書籍「詳解Tomcat」を読んで
本書のレビューアの方から頂いたので読んでみました。以下、感想です。
- 作者: 藤野圭一
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2014/12/26
- メディア: 大型本
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最近、Twitterのタイムラインで『はじめてのXXXや、XXX 入門じゃなくて、もっと至高のXXXとか終焉のXXXみたいな書籍が欲しい』のような意見を目にした気がしますが、本書はまさに詳解Tomcatでした。設定方法を羅列するのではなく、Tomcatはどういくアーキテクチャで成り立っていて、各機能の詳細な挙動はどのような仕様なのかがまとめられています。
1章 Tomcatとは 〜 2章 Tomcatの基本 までは、背景やインストール方法などの色々な書籍で見かける導入部分の内容です。3章 アーキテクチャからが本番です。
Tomcatアーキテクチャの文書化が嬉しい
普段Tomcatを使っている人であれば、catalina/coyoteといったキーワードはスタックトレースやログで一度は目にした方も多いと思います。本書では、Servletコンテナ実装であるCatalinaアーキテクチャ(3章)およびHTTPコネクタ実装であるCoyote(5章)の全体像が文書化されています。
server.xmlを書いていると、<Service>、<Connector>、<Engine>などのCatalinaを構成するコンポーネント名が出てきますが、お恥ずかしながら今まで私はコンフィグ例を参照しながらなんとなく設定していたので、各コンポーネントの役割が理解できていませんでした。
トラブル対応時、いざTomcatのソースを読む時にアーキテクチャを理解していることはすごく重要だと思います。自身を振り返ると『Tomcat7以前ではなぜリクエスト処理後もスレッドがプールに返らないのか?』、『maxThreadsを超えるリクエストが来た時の仕様はどうなってるの?』などの問い合わせにもっと早く対応できたなと。
Tomcat固有機能の解説が嬉しい
5章 応用機能 以降ではTomcat固有の様々な便利機能の使い方、各機能がどういう仕様なのかが詳解されています。以下のような機能の詳細な解説は他の書籍ではあまり見かけないと思います。